「毎日十分な睡眠をとっているはずなのに、腰回りがほぐれない」<>br
「朝起きると腰が痛い」
このようなお悩みを抱えている人はいませんか?
そんな方は、マットレスが体に合っていないのかもしれません。
マットレスが合っていないと、腰痛の原因になることもあります。
今回は、腰痛とマットレスの関係や、腰痛持ちや反り腰に優しいマットレスの選び方、腰が痛くならない対策方法などについてご紹介します。
目次
腰痛とマットレスの因果関係について
日本の成人の標準的な睡眠時間は、6時間から8時間と言われています。
1日の4分の1から3分の1をマットレスの上で過ごすのですから、腰痛や反り腰とマットレスはかなり深い関係があることがうかがえますね。
実際に、マットレスが体に合っていないと、寝ているうちに腰へ大きな負担を与えてしまいますが、その理由としては、寝ている姿勢が悪くなると、腰やお尻に大きな圧力がかかってしまうからです。
また、合わないマットレスは寝返りを打ちにくくしてしまいます。
そのため、同じ姿勢が長時間続くことになり、腰痛や反り腰を引き起こしてしまうのです。
腰が痛い人にとってマットレス選びは重要
腰痛がなかなか治らない人や反り腰の人にとって、自分の体に合っているマットレスを選ぶことはとても大切です。
そうすることで、寝ている間に体に余計な負担がかからずに、腰が痛くならないですみます。
実際にマットレスを選ぶ際には、店頭で寝てみて、腰が痛くないかを試してみるといいですね。
ここからは、腰痛持ちや反り腰に優しいマットレスや、腰が痛くなりやすいマットレスの特徴について紹介したいと思います。
腰痛持ちや反り腰に優しいマットレスの特徴
腰痛持ちや反り腰に優しいマットレスの特徴は2つあります。
体が沈み過ぎない
体重を分散することで、体の一部に負担が行かないため、腰が痛くないでしょう。
頭、背中、お尻、かかとの4点が沈み過ぎないことがポイントです。
少し硬いと感じる
人はマットレスに横になった時、自分の筋肉と同じくらいの硬さを心地よく感じます。
一方で、現代人は多くの場合、運動不足で筋肉が弱いため、柔らかすぎるマットレスを選んでしまいがちです。
そのため、実際には硬いように感じるマットレスが、腰に良い場合も多いでしょう。
逆に腰が痛くなりやすいマットレスの特徴
腰が痛くなりやすいマットレスの特徴は3つあります。
劣化している
劣化しているマットレスは弾力性が減り、腰やお尻が沈み過ぎてしまいます。
そのため、体圧を分散させることができず、腰への負担が増えてしまうでしょう。
腰に優しいマットレスを購入したとしても安心せずに、日々メンテナンスを怠らないようにしましょう。
硬すぎる
硬すぎるマットレスも体圧を分散させることができず、点で体重を支えることになります。
そのため腰への負担が大きくなり、長時間寝ていると腰痛の原因になってしまいます。
腰の下に大きなアーチ状の空間ができていたら、要注意です。
柔らかすぎる
柔らかすぎるマットレスは包み込まれて心地良いため、一見、腰に優しいように感じられるかもしれません。
実際は体が深く沈みこむため、体を支えるために腰に大きな負担がかかります。
また、寝返りをスムーズにうてなかったり、腰をねじったりしてしまう危険性もあり、腰に良いとは言えません。
腰が痛くならないマットレスを選ぶ時のポイント
マットレスにはたくさんの種類がありますが、腰痛の人や反り腰の人は特に自分の体に合ったものを選ぶことが大切です。
それには素材やサイズはもちろん、通気性やカビ対策、マットレスの寿命もしっかりとチェックしましょう。
実際に腰が痛くならないマットレスを選ぶために大切ないくつかのポイントをご紹介します。
素材の大切さ
マットレスの素材やサイズは、さまざまなものがあります。
それぞれの特徴を知ることで、自分の体に合ったマットレスを選ぶことができます。
まず、マットレスの素材は大きく分けて、スプリングタイプ、ウレタン素材、ファイバー、ラテックスがあります。
それぞれの特徴は以下の通りです。
ボンネルコイル(スプリングタイプ)
コイルスプリングが連結しており、体圧を面で支えます。
そのため、緩やかなフィット感が特徴です。
コイルの間を空気が通るため、通気性が良く湿気がこもりにくいでしょう。
価格は、他のものと比べると安価なものが多いです。
ポケットコイル(スプリングタイプ)
その名の通りポケット(袋)にコイルスプリングが一つずつ入っており、体圧を点で支えます。
そのため、ボンネルコイルのものと比べて、より体にフィットすることが特徴です。
背中のs字カーブを自然に描くことができ、腰にやさしいため、腰痛の人や反り腰の人におすすめでしょう。
揺れにくいため、二人で使う場合も、寝返りによる揺れで眠りを妨げることが少なくなる効果が期待できます。
ただし、コイルがポケットに入っているために通気性が悪く、湿気がこもりやすいのが難点です。
そのため、マットレスの表裏を定期的に入れ替えながら使用したり、通気口のあるものを選んだりする工夫が必要になります。
価格は、比較的、高価なものが多いでしょう。
高密度連続スプリング(スプリングタイプ)
一台のマットレスが一本の銅線でできており、体圧を面で支えます。
日本人の寝姿勢や体型に合わせて作られているので、日本人の腰に優しいのが特徴です。
部分的な劣化が発生しにくく、腰回りをしっかりと支えるため、腰痛の人や反り腰の人におすすめです。
オープンコイルという通常のコイルよりも空洞が多い構造になっているため、通気性が良いでしょう。
ウレタン
ウレタン素材のものは、柔らかいものから硬いものまであり、自分の腰に良いものを選ぶことができます。
高反発のものを選ぶと、体が沈み込み過ぎずに、寝返りもうちやすいため、腰に優しいでしょう。
そのため、腰痛の人や反り腰の人におすすめです。
また、折りたたむことができるため、収納にも便利でしょう。
価格が比較的安いのも魅力です。
ファイバー
ポリエチレンの繊維を編んで作られており、硬めの寝心地が特徴です。
ごわついた感触の素材のため、厚手のマットレスカバーを使用しなければ、ごわごわした感触が気になるという人もいるでしょう。
硬すぎるように感じる人もいるため、多くの人の腰に良いとは言えないかもしれません。
自分で洗うことができるため、適度なお手入れで、清潔な状態を保つことができます。
また、通気性に優れており、湿気がこもりにくく、ダニやカビの発生を抑えることができるのも特徴です。
ラテックス
ゴムの木の樹液から作られており、弾力性と柔らかさを兼ね備えています。
樹液80%から100%の天然ラテックスのものと、80%以下の合成ラテックスのものがあります。
天然のもののほうが品質が高く、腰が痛くないでしょう。
柔らかな寝心地ながら、しっかりと体を支え、体圧を分散してくれます。
100%の天然ラテックスのものは、ダニやホコリの発生を抑え、耐久性にも優れています。
通気性は若干悪く、比較的重いのが難点です。
価格はばらつきがありますが、天然ラテックスのものは高価になってしまいます。
サイズの大切さ
マットレスのサイズは、セミシングル、シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キングの6種類です。
メーカーによって変わりますが、長さはおおむね195cmから200cm、幅は80cmから180cmとなります。
体格や寝る人数、ベッドに合うサイズを選びましょう。
また、意外と忘れがちな厚さもしっかりと確認しておくのがポイント。
腰が痛くない厚さというのも大切ですが、厚さ次第でベッドの高さが変わるということも覚えておいてください。
特に子供や高齢者など、寝る人の体の状態に合わせてベッドの高さを調節するといいでしょう。
高反発と低反発のどっちが体に合うか
マットレスには高反発のものと低反発のものがあります。
低反発は柔らかく、包み込まれるような感じがして心地良いのが特徴ですが、その一方で、柔らかすぎると体が沈み込み過ぎて、腰に良い寝姿勢が保てません。
背中や腰で体重を支えることになり、体圧が分散されないのです。
また、寝返りをうつのを妨げ、体が凝り固まってしまうため、腰痛の人や反り腰の人にはあまりおすすめできません。
高反発は低反発のものより硬いため、体が沈み込みにくく、適度に体圧を分散することができます。
腰が沈み過ぎないため、きれいな寝姿勢を保ちやすく、腰が痛くなりにくいですし、寝返りもしやすいので、体が凝り固まってしまうのも軽減され、腰に良いと言えます。
という事で、腰痛の人や反り腰の人には高反発がおすすめです。
ニュートン(N)を基準に選ぶのもおすすめ
とは言え、硬すぎて体に合わなくても腰に良いとは言えません。
そこで、体重に合った反発力のものを選ぶのが大切です。
ウレタンマットの硬さの単位はニュートン(N)と言い、体重によって理想の値が定められています。
以下の数値を参考に腰が痛くないマットレスを選んでみましょう。
- 45kg以下:100~140ニュートン
- 45kg以上81kg以下:140~170ニュートン
- 81kg以上:170ニュートン以上
通気性・寿命・カビ対策も大事
睡眠中は思っている以上に大量の汗をかくもので、マットレスの通気性が悪いと、カビや雑菌などが発生してしまいます。
そこで、マットレスを選ぶ際は、通気性やカビ対策、マットレス自体の寿命などについてもしっかりと確認しましょう。
通気性が悪いものを選ぶと、干したり、カビ対策をしたりする手間が余計にかかってしまいます。
マットレスは内部の素材の密度によって耐久性が異なり、密度が高いほど耐久性に優れ、寿命が長くなります。
密度を表す単位はD(kg/m³)で、耐久年数は以下の通りです。
- 25D以上:3~5年程度
- 30D以上:5~8年程度
- 40D以上:8年以上
睡眠時における腰が痛くならない対策方法
朝起きた時に腰が痛い人や、夜中に腰痛で起きてしまう人は、今使っている寝具を見直してみることをおすすめします。
体に合っている寝具を使うことで、腰が痛くならない可能性があるからです。
また、寝る時の寝方にも気を付けることで、より腰に良いでしょう。
それらのチェックするべきポイントを見ていきましょう。
マットレス・敷布団・枕などの寝具を見直す
寝具を見直す時にチェックしたいポイントと、すぐに寝具を買い替えることができない時の改善方法を見ていきましょう。
マットレスや敷布団の硬さが合っているか
マットレスや敷布団が、硬すぎたり柔らかすぎたりしないかをチェックしましょう。
また、敷布団は、真ん中の腰辺りが来る部分が高くなっているかをチェックしてください。
腰辺りが高いことで、無理のない姿勢を保つことができるため、腰が痛くならないで済みます。
枕の高さが合っているか
頭から腰にかけて体は繋がっています。
枕の高さが合わないと、頭痛や肩こりを引き起こすだけでなく、腰にも影響が出る恐れがあります。
自分の体に合っている枕を使うことで、腰が痛くならないで済むでしょう。
すぐに寝具を買い替えることができない時の改善方法
マットレスをすぐに買い替えることが難しい場合もあるかもしれません。
そんな時の応急処置として以下の改善方法をとって、少しでも腰に良い姿勢を保つようにしましょう。
へこんだ部分にタオルを敷く
体重がかかってへこんでしまった部分にタオルを敷きましょう。
体の沈み込みを改善することができ、腰が痛くない姿勢をとりやすくなります。
高反発素材のトッパーを敷く
マットレスの上にトッパーを敷きましょう。
トッパーはマットレスに比べて安価なので、用意しやすいのが利点です。
ただし、マットレス自体が劣化していると、トッパーを敷いても効果が薄いので要注意です。
ベッドパッドを敷く
マットレスの上にベッドパッドを敷きましょう。
そうすることで腰が痛くないだけでなく、吸汗性も上がります。
寝るときの寝方にも気をつける
寝る時の寝方にも腰に優しい寝姿勢や工夫したいポイントがあります。
きれいな姿勢で寝る
腰に優しい寝姿勢は、力を抜いてまっすぐに立った時と同じ姿勢と言われています。
背骨が緩やかなs字カーブを描く、腰に良い姿勢です。
仰向けになって、頭、背中、お尻、かかとがマットレスについているか確認しましょう。
首の下とマットレスの間には6~8cmのすきま、腰の下とマットレスの間には4~6cmのすきまが空くのが理想で、腰の下のすきまが大きすぎると反り腰となり、腰に大きな負担がかかってしまいます。
腰痛の原因となるため、注意しましょう。
疲れを溜め過ぎない
通常は、睡眠中に20回以上は寝返りをうつと言われています。
しかし、疲れがたまり過ぎていると、寝返りが少なくなります。
そうなると、長時間同じ姿勢をとり続けてしまうため、血流が滞ってしまい、腰痛の原因となってしまいます。
横向きに寝る時は抱き枕を使う
横向きに寝る時は抱き枕を使うことで、上になっている腕や足を安定させることができます。
体のねじれを防ぎ、無理のない姿勢をとることができるため、腰が痛くないでしょう。
抱き枕がない時は、膝の間に座布団を挟むことで、骨盤の周りに負担がかかりません。
うつぶせで寝ない
うつぶせで寝ると反り腰になってしまいます。
どうしてもうつぶせで寝たい場合は、どちらかの足を横に出して曲げることで、多少は負担を軽減することができます。
けれども腰に優しい姿勢ではないことに変わりはないため、あまりおすすめはできません。
【まとめ】腰が痛い人や反り腰の人はマットレスから見直そう
体に合わないマットレスは腰痛や反り腰の原因となります。
体が沈み込み過ぎない、少し硬めのマットレスを使うことにより、腰が痛くならないで済むでしょう。
また、腰が痛くない自然な姿勢で眠ることにより、腰に余計な負担をかけません。
すぐに寝具を買い直すのが難しい時は、タオルや座布団、ベッドパッドなどを使って工夫してみましょう。